後立山縦走(白馬三山、唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺が岳)

後立山縦走 (1975.8.10〜14 自炊小屋泊まり) 単独行

1日目(8月10日)
 
横浜の自宅を早朝の4時に出て新宿から6:50発のアルプス1号に乗る。
夜行は眠れないし朝なら空いているだろうと思って出かけましたが、さすがにお盆休み 満員で乗れない人も出る始末。上諏訪まで立ちっぱなし。
白馬山麓の猿倉に着いたのは午後1時をまわっていました。猿倉から白馬尻小屋までは1時間弱の歩き。
曇天の蒸し蒸しする樹木の中の道を汗びっしょりになって歩きました。大雪渓見学のハイキングの人も多く、中にはスカート姿の女性も居ました。

 白馬尻小屋には、午後の2時に到着。雨こそ降っていませんでしたが、靄が立ち込めていて、雪渓から出る水蒸気なら良いのですが、
明日からの天候が気になりました。小屋はそれほどの混み具合でもなくほどほど。
単独行登山者は殆どおらず。一人淋しく(〜気楽に)自炊の食事を食べて早々に就寝。

2日目(8月11日)
 翌朝 4時半過ぎに出発。真っ青な空が目に眩しいほどの快晴。他の登山者は遅い出発のようで大雪渓を登る人は殆どおらず、独占状態。
朝日を浴びながら雪渓の上をゆっくりゆっくり登る。それほどの急勾配でもなく、足跡が雪上についているのでアイゼンなしでも快調に歩けました。
 これは大雪渓上から杓子岳東面の天狗菱です。

 

大雪渓での登りでは、時おり写真を撮りながら殆ど休憩なしで一気に小雪渓まで登りきりました。

 

お花畑からの杓子岳(2812m)です。快晴 そして朝早かったので他の登山者もまだ殆どおらず、快適そのものでした。
下の雪渓下部を見ると登山者が続々と上がって来るのが見えました。余裕の登山満喫です。

 


 
小雪渓を過ぎると稜線下のお花畑が今が最盛期。左を見ると豪快な杓子岳、何とも口に表せないほどの絶景。
単独行だとこの美しさを分かち合う喜びもなくやや淋しいですね。写真を撮るのみでした。

 


稜線からの白馬岳(2932m)と村営宿舎。村営宿舎のその大きさに驚く。

 


 白馬岳山頂。360度の視界、北アルプスの山々が一望。感動!写真を撮りまくる。
頂上から南方方向、手前から杓子岳・鑓ヶ岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳更に右側奥に槍穂高連峰。

 


 すぐ近くに立山連峰。200mmレンズでアップ。

 

50mmレンズにて剣岳と立山連峰。晴天 そして残雪もほどほどにあって最高!…この時 次は剣・立山を目指そうと考えていましたが…。

 

立山から南 薬師岳方面遠望。
薬師岳方面も憧れていて その後何度と山行計画を作りましたが、遠くてとうとう諦めてしまいました。

 

槍・穂高遠望。

 

頂上から見下ろす大雪渓。見上げた写真はあまり急峻に見えませんが、見下ろすと急峻さが分かると思います。

 

白馬岳頂上で写真を撮ったり休憩していると続々登山者が登って来て騒がしくなったので、1時間ほどの休憩で9時過ぎに出発、次の杓子・鑓へ前進。
杓子岳西斜面から白馬岳。

 

2時間ほどで鑓ヶ岳(2903m)。ここからの眺めも雄大。白馬岳と左側に旭岳。

 

鑓ヶ岳からの白馬岳をアップで。

 

旭岳のアップです。白馬岳から日本海側の山々も静かで良い山が多いと聞いていましたが、行けてません。

 

鑓ヶ岳頂上から手前が唐松岳そして五竜岳・鹿島槍ヶ岳へと続きます。昼近くになって来ると沢からの雲が上昇して来ています。

 

手前に天狗山荘、そして唐松・五竜・鹿島槍です。この日は 天狗山荘に泊まり翌日は天狗の大下り・不帰の険の難所が控えています。

 

天狗山荘のアップ。

 

そして剣・立山連峰です。白馬岳山頂からの眺望に比べて雲が多くなって来ました。

 


登山家憧れの山、剣岳。私も何度も計画を立てましたが、とうとうここも行かずじまいでした。

 

鑓ヶ岳を下ってこの日の宿予定 天狗山荘に着いたのは昼過ぎ。この日の山行時間は7時間強。
午後になると天候が崩れる確率が高く、まだ先が長いのでここを今夜の宿としました。
空いていましたが、自炊組みにはやや不便な山荘。

同じ単独行の男性からうるさく話しかけられうんざり。
不帰のキレットに独りで行くのが怖いようで、翌日もキレットを通過するまで付いて来てウザいウザい。

3日目(8月12日)
 
翌朝 朝飯を作ろうと外でガスを焚きましたが、風が強くてすぐ消えてしまい、朝飯抜きで5時少し前に出発。
どうも北アルプスの山小屋は自炊には向いていないようだ。

天狗の大下り、不帰の険は少しきつかったが、それほどでもない。
当時のザックはキスリングが主流だったので、バランスが悪く、気をつけてそろそろと進む。
唐松岳頂上には 3時間後の8時に到着。


唐松岳(2696m)頂上からの五竜岳(2814m)。違った雰囲気を見せてくれます。

 


唐松岳からの立山連峰。

 


唐松岳からの剣岳(2998m)。

 


唐松岳からの剣・立山連峰の全景。

 


唐松岳からの左に槍・穂高、右は野口五郎岳・鷲羽岳辺りかな?

 


唐松岳から前日歩いて来た白馬鑓ヶ岳。

 


五竜山荘付近からの五竜岳。

 


五竜山荘に昼前に到着。山行時間は6時間半ほど。
不帰の険等の難所を歩いたり、うるさくつきまとって話しかけて来る単独行者に疲れたし、足の親指の爪が痛むので大事をとってここで宿泊。
更にキレット小屋まで行く人が殆どだが。

 五竜山荘 水1リットル 80円なり。この辺は水場も無いので当然かな。
続々と登山者がやって来て、少し混みあうがそれほどの混雑にはならず。ここも自炊組みには不便。

4日目(8月13日)
 
五竜山荘も自炊場所がなく外で食事を作らなければならず、早朝は面倒なので朝飯抜きで4時半に出かける。
雲・霧が立ち込めている。五竜岳への登りは急峻で手登りが多い。1時間弱で一気に五竜山頂へ。

五竜岳山頂からの唐松岳・白馬三山。早朝の5時半。

 


五竜岳山頂からの双耳峰の鹿島槍ヶ岳(2889m)。

 


五竜岳からキレット小屋までの八峰キレットは登り下りが厳しい。
キレット小屋は崖の隙間にある小屋、泊まらなくて良かったかな。いや逆に楽しかったかな。
そして鹿島槍へは急な登り。霧が多いが天気は何とか持ちました。


吊尾根からの鹿島槍ヶ岳南峰を見上げる。
登山者多し。さすが人気の山だ。
南アルプスに比べて登山者が多く、岩稜の道は狭く往来の待ちが多い。

 


鹿島槍ヶ岳からの剣・立山連峰。朝の10時なのに雲が多くなってしまいました。

 


鹿島槍ヶ岳からの冷池小屋までは気持ちの良い道。鹿島槍ヶ岳を過ぎると登山者がガクンと減って静かになったせいかも知れません。

やはり名山へ集中するようです。途中のお花畑が綺麗、岩稜歩きばかりだったので、久し振りに見る花は新鮮に見え、心和ませてくれます。

信州側での巻き道では、涼しい風が吹いて火照った身体には爽快そのものでした。冷池小屋で 300円のインスタントラーメンを食べる。

爺が岳(2670m)も爽快。気持ちの良い稜線歩きを満喫。

のんびりと景色を眺めながらゆっくりと歩いたので種池小屋に着いたのは午後の2時。

種池山荘では 自炊組みの部屋は別になっていて、10畳以上の広さの部屋に宿泊者は4人だけ。
その中に五竜山荘でも一緒だった若夫婦も。広い部屋で手足を伸ばして寝ることが出来ました。

 


5日目(8月14日)
 
予定ではここから更に針の木岳まで行き 針の木小屋に宿泊して下山する予定であったのですが、何とか歩くことは出来るが、
自炊の不便さで南アルプスの小屋でのように食事が十分に取れずややバテ気味もあって無理をせず ここから扇沢へ下山することにしました。

 翌朝 4時半に種池小屋を出発。ほぼ同時刻に同宿の自炊組みの若夫婦も下山路へ。
扇沢出会いまでの2時間弱 抜きつ抜かれつ下りました。高度が下がると共に真夏の陽射しが強くなり暑くなって来たので短パンへ履き替えて下山。

 扇沢出会いに6時半前に到着。さてバスもまだないし どうしようかな?と思っていたら 
一緒の若夫婦が帰り車のタクシーへ便乗しませんか ということで便乗。

タクシー代は良いですと言われたが払ったはず。大町駅に着いたら松本行きの電車の発車ベルの鳴るなか 
松本発8時のあづさ2号の指定券を買い 跨線橋を重いザックを担いで走って列車に飛び乗る。
その間 電車は待ってくれました。ありがたや。

松本駅で5分の乗り換え時間であづさ2号へ。八王子経由横浜の自宅に着いたのは丁度お昼。

4泊5日の縦走、珍しく雨に降られることもなく、まずまずの天気、ラッキーでした。

TOPへ戻る    山行記録へ戻る 


inserted by FC2 system